朝晩は少し肌寒くなってきましたね。
ついこの前まで冷房を使っていたような気がしますが、
そろそろ暖房のことも考える季節になってきました。
寒くなってくると、
住宅で気になる問題の一つが「窓の結露」です。
最近は断熱リフォームの一環として、
既存の窓の内側にもう一つ窓を取り付ける「内窓(インナーサッシ)」を採用される方も増えています。
ところが、
「内窓をつけたのに、外側の窓がびしょびしょになっている」
そんなことが起こる場合があります。
断熱性能を高めたはずなのに、なぜ結露するのでしょうか?
今回は、YouTubeで公開した「内窓と結露の関係」についてご紹介します。
内窓は、既存の窓との間に空気層をつくることで、
窓まわりの断熱性能を高める方法です。
比較的短期間で施工でき、寒さ対策や冷暖房効率の改善にも効果が期待できます。
ただし、内窓を設置したからといって、必ず結露がなくなるわけではありません。
その理由は、結露が窓の断熱性能だけではなく、
空気に含まれる水蒸気の量と表面温度によって決まるからです。
内窓を設置すると、室内側のガラス表面は暖かく保たれやすくなります。
一方、既存の外窓は室内の暖かさが伝わりにくくなるため、以前より冷たくなる場合があります。
そこへ室内の湿った空気が入り込むと、冷えた外窓の表面で結露が発生することがあるのです。
今回のYouTubeでは、
少し専門的な「空気線図」を使って結露の仕組みを説明しています。
空気には温度によって含むことのできる水蒸気の量に限界があり、
空気が冷やされて水蒸気が飽和する温度を「露点温度」と呼びます。
例えば、室温20℃・相対湿度60%の空気であれば、露点温度は約12℃です。
この空気に接する窓ガラスなどの表面温度が約12℃以下になると、結露が発生しやすくなります。
つまり、室内の湿度が高ければ、それだけ結露が発生する可能性も高くなります。
結露対策は、窓を暖かくすることと、空気中の水蒸気を適切に管理することの両方が大切です。
内窓と外窓の間に結露が発生する場合、まず確認したいのが次の3つです。
冬場は加湿器を使うご家庭も多いと思います。
ただ、加湿しすぎると窓や壁などの冷たい部分で結露が発生しやすくなります。
室温と相対湿度を確認しながら、必要以上に加湿しないことが大切です。
内窓と外窓の間に、室内の暖かく湿った空気が流れ込むと、外窓側で結露が発生する原因になります。
内窓がしっかり閉まっているか、建具の調整に問題がないか、枠まわりに大きな隙間がないかなどを確認します。
施工の状態によっても結果が変わるため、改善しない場合は施工会社に相談することをおすすめします。
結露対策では、換気も重要です。
室内で発生する水蒸気を適切に排出できているか、換気設備が正常に動いているかを確認します。
特に冬場は寒さを避けるために換気を控えたくなりますが、湿気を室内にため込まないことが大切です。
窓についた水滴を拭き取るだけなら、
少し面倒なことのように感じるかもしれません。
しかし、結露が長期間続くと、
窓枠や周辺の木部が傷んだり、カビが発生したりする原因になります。
カビや湿気の多い環境は、ダニの増加や室内環境の悪化にもつながります。
建てた後の住宅の点検やメンテナンスにも携わっていると、
住宅は完成時の性能だけでなく、その後の使い方や維持管理も大切だと感じます。
だからこそ、結露が起きたときには単純に窓の性能を疑うのではなく、
温度・湿度・換気・施工状態を含めて原因を考える必要があります。
今回の動画では、結露が発生する仕組みを空気線図を使いながら説明しています。
特に、内窓を設置した後に外窓側で結露が発生する理由について、施工的な観点も含めてお話ししています。
すでに窓の結露で悩まれている方はもちろん、
これから内窓リフォームを検討されている方にも参考にしていただける内容です。
窓の結露は、断熱性能だけでは解決できない場合があります。
大切なのは、なぜ結露が発生しているのか、その原因を正しく理解すること。
ぜひ動画もご覧いただき、これからの住まいの結露対策に役立てていただければと思います。
【Youtubeリンク】⇒内窓をつけたのに結露する?寒くなる前に知っておきたい窓の結露と3つの対策【一級建築士が解説】