前回のブログでは、
30年ほど前と現在の夏を比較しながら、
気温だけではなく湿度や絶対湿度についても書きました。
夏そのものが変わってきているのであれば、
当然、住宅設備の使い方も変わってきます。
その代表がエアコンではないでしょうか。
昔のように「暑い時間だけつける」という使い方から、
現在の高気密・高断熱住宅では、夏の間かなり長い時間運転することも珍しくありません。
そうなると考えておきたいのが、エアコンの故障と保証です。
家づくりの仕事に携わって早二十数年。
現場監督からスタートしたキャリアも、
営業・設計・アフターメンテナンス・工務店経営まで。
今でも毎日が勉強です。
より良い家づくりを実現するために日々学び続けていますので、
ご興味のある方は、ぜひ過去のブログもさかのぼって読んでいただけるとうれしいです。

30年ほど前を思い返すと、
エアコンは今ほど長時間使う設備ではなかったように思います。
日中の暑い時間につけて、夜になって涼しくなれば止める。
窓を開けて風を通して過ごせる日も、今より多かったのではないでしょうか。
ところが現在は、
最高気温が35℃を超えるような日も珍しくありません。
さらに前回書いたように、
夏は気温だけでなく湿気への対応も必要です。
冷房だけではなく除湿という意味でも、
エアコンが夏の室内環境を維持するための重要な設備になっています。
高気密・高断熱住宅では、
エアコンを小まめにつけたり消したりするのではなく、
長時間安定して運転させる使い方も増えてきました。
住宅性能が変わり、
気候が変われば、設備の使われ方も変わります。
ここで最近気になっているのが、エアコンの故障です。
猛暑が続けば、当然エアコンの稼働時間も長くなります。
外気温が非常に高い環境では室外機も厳しい条件で運転することになりますし、
夏の間ほぼ毎日のように長時間運転する住宅もあります。
昔と比べれば、
エアコンに求められる仕事量はかなり大きくなっているのではないでしょうか。
実際、アフターメンテナンスの仕事をしていると、
エアコンは小台数で運用する分
「壊れたら少し我慢すればいい設備」ではなくなっていると感じます。
ただし、「猛暑によってエアコン自体の故障率が何%上がった」と一概に言えるものではありません。
機種、設置環境、使用時間、メンテナンス状況などによって条件は変わります。
それでも、これまでとは違う使われ方をするようになってきていることは、住宅を考えるうえで意識しておきたいところです。
エアコンの故障で一番困るのは、当然ながら一番暑い時期です。
しかも猛暑になるほど、各家庭でエアコンをフル稼働させます。
修理や交換の依頼も集中しやすく、
故障したからといって必ずすぐに直せるとは限りません。
特に高気密・高断熱住宅では、
少ない台数のエアコンで家全体の温熱環境を計画している場合があります。
これは普段の省エネルギー性や快適性という意味ではメリットがありますが、
反対に考えると、その一台が故障したときの影響が大きいということでもあります。
住宅性能が良くなったからこそ、設備が担う役割についても考えておく必要があります。
こうしたことから、オーガニックスタジオ兵庫では、
エアコンを設置・交換するときには加入できる機種であれば10年保証も検討していただくことをおすすめしています。
一般的なメーカー保証が終わったあとに故障すると、
修理内容によってはそれなりの費用がかかる場合があります。
エアコンには基板、センサー、ファン、モーター、冷媒系統などさまざまな部品があります。
特に高機能なエアコンになるほど構成部品も増えます。
もちろん10年保証に入ったからといって、
すべての故障や費用が無条件に保証されるわけではありません。
対象となる故障、免責事項、修理上限、出張費、自然故障以外の扱いなどは異なります。
だから「10年保証」という年数だけを見るのではなく、保証内容まで確認して加入することが大切です。
家づくりでは、どうしても新築時の性能や設備のグレードに目が向きます。
しかし住宅は30年、40年と使うものです。
その間、エアコンや給湯器などの設備は必ず更新時期を迎えます。
大切なのは、
「絶対に壊れない設備を選ぶ」
ことではなく、
「いつか壊れるものとして、困らないように考えておく」
ことではないでしょうか。
修理しやすい機種なのか。
交換するときに大掛かりな工事にならないか。
保証はどうなっているのか。
そして、一台故障したときに家全体がどうなるのか。
こうしたところまで考えておくことも、長く住み続けられる家づくりの一部だと思っています。
前回は、30年前と現在では夏の気候が変わってきているという話を書きました。
気候が変われば、家のつくり方も変わります。
そして家のつくり方が変われば、エアコンなど住宅設備の使い方も変わります。
高気密・高断熱にして終わりではなく、
日射遮蔽、湿度管理、空調計画、設備のメンテナンス、故障時の対応まで考える。
そこまで含めて住宅性能だと思います。
エアコンの10年保証は小さな話に見えるかもしれません。
でも、真夏にエアコンが故障したときのことを考えると、
暮らしを守るためのひとつの備えになります。
家は建てた瞬間がゴールではありません。
10年、20年、30年と住み続けるなかで設備も修理し、交換しながら付き合っていくものです。
これからの暑い夏を快適に暮らしていくためにも、
エアコン選びの際には性能や価格だけではなく、
「故障したときどうするか」まで一緒に考えておくことをおすすめします。