家づくりの打ち合わせをしていると、
「無垢の床って、お手入れが大変じゃないですか?」
と聞かれることがあります。
確かに、一般的なシートフローリングと比べると、
無垢材は傷がついたり、汚れたり、経年変化したりします。
ただ、20年以上家づくりに携わり、
完成後のアフターメンテナンスまで見てきた立場からすると、
私はむしろ「手を入れながら長く使えること」が無垢床の大きな魅力だと感じています。
今回、そんな無垢床のメンテナンスについて、
実際の作業を交えながらYouTubeでご紹介しました。
家づくりの仕事に携わって早二十数年。
現場監督からスタートしたキャリアも、
営業・設計・アフターメンテナンス・工務店経営まで、
今でも毎日が勉強です。
より良い家づくりを実現するために、日々学び続けています。
ご興味のある方は、ぜひ過去のブログもさかのぼって読んでいただけるとうれしいです。
無垢床を採用すると、
当然ながら生活の中で少しずつ変化していきます。
椅子を引けば傷がつくこともありますし、
物を落とせばへこむこともあります。
水をこぼしたり、
食べ物を落としたり、
小さなお子さんがいれば落書き……
なんてこともあるかもしれません。
新築当初のきれいな状態をずっと維持しようとすると、
無垢床は少し神経を使う素材に感じるかもしれません。
でも、私たちが考える自然素材の家は、
「新築時が一番きれいな家」ではありません。
家族が暮らすことで傷がつき、
色が変わり、それが少しずつ家の味になっていく。
これも無垢材ならではの良さです。
無垢床の良さは「直せる」こと
無垢床の大きなメリットのひとつが、
表面だけではなく中まで本物の木であること。
だからこそ、
汚れや傷の状態によっては削ったり、
補修したり、再塗装したりすることができます。
私自身、
これまで多くのお施主様のお宅を点検してきました。
10年ほど経過した無垢床を見ると、
新築時とはまったく違う表情になっています。
日当たりによって色が変わっていたり、
よく歩くところには生活の跡が残っていたり。
それでも、きちんと手入れされた無垢床には、
新品にはない落ち着いた雰囲気があります。
住宅は何十年と使うもの。
「傷がつかないか?」だけではなく、
「傷んだときに直せるか?」
という視点も、家づくりでは非常に大切だと思っています。
普段のお手入れは、それほど難しくありません
「無垢床=頻繁にワックスを塗らないといけない」
そんなイメージを持たれている方もいらっしゃいます。
実際には、普段のお手入れはそれほど特別なものではありません。
掃除機や乾拭きなど、
基本的には普通の床と同じようなお掃除が中心です。
もちろん、使っている樹種や仕上げ方法によって適切なメンテナンス方法は変わります。
自然系オイル仕上げなのか、
塗膜をつくる仕上げなのかでも考え方は違います。
大切なのは、その床材に合った方法でお手入れすること。
今回のYouTubeでは、
実際にメンテナンスする様子を見ていただきながら、できるだけ分かりやすく解説しています。
文章だけでは伝わりにくい部分もありますので、
無垢床を採用されているOB施主様にもぜひ見ていただきたい内容です。
無垢床についてお話しするとき、
私はあまり「傷をつけないように大切に使ってください」とは言いません。
もちろん、乱暴に扱っていいという意味ではありません(笑)。
でも、家は展示場ではなく、家族が毎日暮らす場所です。
傷ひとつない状態を守ることよりも、
気持ちよく使って、必要になったら手入れする。
そのくらいの付き合い方が、
自然素材の家にはちょうどいいのではないかと思っています。
今回の動画が、
「無垢床にしたいけどメンテナンスが心配」
という方の不安を少しでも減らすきっかけになればうれしいです。
また、すでに無垢床の家にお住まいのOB施主様にも、
今後のお手入れの参考としてぜひご覧いただければと思います。
無垢床は、時間とともに変化する素材です。
しかし、その変化を楽しみながら、
必要なところに手を入れ、長く使っていけるのが大きな魅力です。
家づくりでは「メンテナンスフリー」という言葉に惹かれがちですが、
実際にはまったく手入れの必要ない住宅材料はほとんどありません。
だからこそ、メンテナンスできる素材を選び、正しい方法を知っておくこと。
それが、長く快適に暮らせる家につながるのではないでしょうか。
今回公開したYouTube「無垢床のメンテナンス」も、ぜひ家づくりの参考にしてみてください。