最近の家づくりでは、お客様との打ち合わせの中で、
「ロボット掃除機をどこに置きますか?」
という話をすることが珍しくなくなりました。
少し前までは、
完成してから置き場所を考える家電だったと思います。
ところが今では、ロボット掃除機を使うことを前提に、
間取りや収納、コンセントの位置まで考えておく必要があります。
家づくりの仕事に携わって早二十数年。
現場監督からスタートしたキャリアも、
営業・設計・アフターメンテナンス・工務店経営まで。
より良い家づくりを実現するために、日々学びながら家づくりに向き合っています。

ロボット掃除機が登場した頃は、
今ほどセンサーの性能も高くありませんでした。
壁まで進んで「ゴン」とぶつかり、そこで方向を変える。
そんな動きを繰り返しながら掃除していた印象があります。
実際、建てた後の家を見ていると、
ロボット掃除機が繰り返し当たることで、
壁や巾木、襖などに傷がついたという相談を受けたこともあります。
特に襖のような比較的柔らかい建具は、
何度も同じ場所に当たると傷みやすい。
便利な家電ではあるものの、
住宅側から見ると少し注意が必要な存在でもありました。
ところが最近のロボット掃除機は、
ずいぶん変わりました。
各種センサーやカメラなどで室内を把握し、
壁や家具、障害物を認識しながら走行する機種が増えています。
昔のように、壁にぶつかってから方向を変えるという単純な動きではなくなってきました。
さらに自動で充電場所に戻るだけでなく、
ゴミ収集やモップの洗浄・乾燥まで行う機種もあります。
ここまでくると、単なる「掃除機」というより、
住宅設備に近い存在になってきたようにも感じます。
だからこそ最近は、
家を設計するときからロボット掃除機について確認しておくことが大切です。
例えば、
といったことです。
収納の下部を少し開けて、
そこをロボット掃除機の基地にする方法もあります。
うまく計画できれば、本体や充電設備を目立たせず、
必要なときだけ出てきて掃除してもらうこともできます。
一方で、機種によって本体やステーションの大きさ、
必要な高さ、周囲に必要なスペースなどは違います。
「ロボット掃除機対応のスペースをつくれば大丈夫」ではなく、
できれば使う予定の機種まで想定して寸法を確認する。
ここが設計するときのポイントです。
家づくりの仕事に長く携わっていると、
住宅そのものだけではなく、そこで使われる家電や暮らし方が大きく変わってきたことを感じます。
昔はロボット掃除機が壁や襖にぶつかってできた傷の相談を受けることもありました。
それが今では、
最初からロボット掃除機の基地をどこにつくるかを打ち合わせする時代です。
これから先はさらに、家電同士が連携したり、
住宅設備とつながったりすることも増えていくでしょう。
ただ、新しい設備を何でも取り入れればいいとは思いません。
大切なのは、その家でどんな暮らしをするのかを考え、
必要なものを設計段階から自然に組み込んでおくこと。
ロボット掃除機ひとつを見ても、家づくりは少しずつ変化しています。
完成したときだけではなく、実際に暮らし始めてから使いやすい家にする。
これも、これからの住宅設計で大切にしたいところです。