「火災保険」と聞くと、まず思い浮かぶのは火事ではないでしょうか。
もちろん火災への備えが基本なのですが、
家づくりをして、その後のメンテナンスや修繕まで長く見ていると、
実際にはもっと身近な住まいのトラブルで火災保険が関係してくることがあります。
そしてもうひとつ感じるのが、
保険会社や契約内容によって保険料に意外と差があること。
今回は、
家を建てた後の視点から「火災保険」について少し書いてみたいと思います。
家づくりの仕事に携わって早二十数年。
現場監督からスタートしたキャリアも、
営業・設計・アフターメンテナンス、
そして工務店経営まで経験してきました。
それでも今でも毎日が勉強です。
より良い家づくりを実現するために、
日々学び続けていますので、
ご興味のある方は過去のブログもさかのぼって読んでいただけるとうれしいです。

火災保険という名前なので、
火事になったときのためだけの保険と思われがちです。
ところが実際の火災保険には、
契約内容によって風災・水濡れ・盗難・外部からの物体の飛来や衝突など、
住まいで起こるさまざまな事故を補償するものがあります。
私たち工務店がアフターメンテナンスや修繕の相談を受けるなかでも、火事そのものより、
「家の中で漏水して、床や天井まで傷んでしまった」
「強風で近隣から物が飛んできて、建物が破損した」
といったケースのほうが、普段の暮らしではイメージしやすいかもしれません。
こうした偶発的な事故が起きたとき、
契約している火災保険の補償内容によっては保険を使える可能性があります。
ただし、経年劣化などは一般的に補償対象外ですし、
事故原因や契約内容によって判断も変わります。
「壊れた=保険が使える」というわけではないので、
事故が起こった際には保険会社や代理店への確認が必要です。
もうひとつ、
火災保険を見ていて感じるのが保険料の違いです。
家を建てるときは、
住宅ローンや登記、引っ越し、家具・家電など、本当にたくさんのお金が動きます。
その中で火災保険については、
「住宅ローンを組むから、とりあえず入っておこう」
という感覚で決めてしまう方もいるのではないでしょうか。
しかし、火災保険は保険会社や商品によって補償範囲、免責金額、特約などが異なります。
条件をそろえて比較してみると、
保険料に差が出ることもあります。
ですから、金額だけを見て「安いほうがいい」と判断するのではなく
何が補償されて、どこからが自己負担になるのかまで確認したうえで比較することが大切だと思います。
特に「免責金額」は見落としやすいところです。
たとえば比較的小さな修繕の場合、事故自体は補償対象でも、
設定されている免責金額によって実際の保険金が変わる可能性があります。
家づくりでは、
どうしても建物本体の性能やデザイン、設備などに目が向きます。
もちろん、それらはとても大切です。
ただ、家は完成してから20年、30年と住み続けていくもの。
その間には設備の故障もあれば、
台風などの自然災害、思いもしなかった漏水や飛来物による破損などが起こる可能性もあります。
火災保険は「万一、家が火事になったときだけのもの」ではなく、
長く暮らしていく家を守る仕組みのひとつとして考えておくと分かりやすいのではないでしょうか。
一方で、保険ですべてをカバーしようとすれば保険料も上がります。
建物の立地や構造、家族の暮らし方などによって必要な補償は変わるので、
「とりあえず全部」ではなく、自分たちの家にどんなリスクがあるのかを考えて選ぶことも大切です。
すでに家を建てて何年か経っている方も、
一度火災保険の内容を確認してみるのもいいと思います。
「水濡れは入っているのか」
「飛来物による破損はどうなのか」
「風災の免責はいくらなのか」
「建物だけでなく家財も対象になっているのか」
意外と、自分がどんな補償に入っているのか覚えていないものです。
家づくりは建てて終わりではありません。
定期点検やメンテナンス、修繕、
そして万一のときに備える保険まで含めて、長く安心して暮らせる環境を整えていくことが大切です。
これから家づくりをされる方も、
すでにお住まいの方も、一度ご自身の火災保険を確認するきっかけになれば幸いです。