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2020.02.05家づくり計画|住宅性能を考える

【高気密高断熱】失敗しない木造住宅の断熱材の選び方を解説。


冬暖かく夏涼しい家にするために必要なこと


 

「冬暖かく、夏涼しい家で暮らしたい。」
「建築家が設計したかっこいい家で暮らしたい。」
「毎日暮らす家たから光熱費は抑えたい!」など
マイホームの建築の際には人それぞれのいろいろと実現したい要望があり、家を建てる理由があります。

 

気密施工

 

これから30年、40年と暮らす家だからこそ、冬暖かく夏涼しい家を省エネにコストパフォーマンスよく実現することが出来ればいいと思いませんか?
自分たちが建てた住まいで冬暖かく夏涼しい家にするために地域地域にあった断熱性能やその性能を実現するための気密性能をもった家にしていく事が大切です。
その重要な要素のひとつである断熱材。
多種多様な種類があり、その種類によって一長一短ある断熱材を選ぶポイントについて解説したいと思います。

 


木造住宅で断熱性能を高めておきたい理由。


 

夏は涼しいが冬は寒すぎる日本の伝統建築。
木造住宅にとっての断熱材を、人に例えると洋服のような物です。
伝統の日本建築には断熱という考え方はなく、大火力の囲炉裏の火を土壁で蓄熱して暖をとるやり方が一般的でした。
真冬にシャツ一枚でたき火にあたっているようなもので、たき火にあたっている体の前半分は熱いぐらい暖かいが背中は底冷えするという状態です。
もちろん、囲炉裏は暖かいでしょうが決して快適な暖かさではないでしょう。

 

元々断熱という考え方の乏しかった日本の建築では気密断熱は重視されてきませんでした。
断熱材自体は家性能でとても大切なものなのですが仕上げとして見えてくるものではなく、何を入れようがどんな施工をしようが完成の見た目ではほぼ違いがありません。
どうしても住まい手も造りて手も軽視し、
見えてくる仕上の材料や、機能性のよい住宅設備にばかり予算配分し、
折角、断熱施工するにしても重要性を理解していながために、
とりあえず入れているだけというお粗末な施工状況をリフォーム現場で壁をめくってみるとよく見かけます。

 

家に適切な気密・断熱性能を持たすことで、小さなエネルギーでも家の中を暖め保温出来るようになります。
室内での温度ムラも最小限に抑えることが可能になり、省エネでありながら快適な住空間とすることが出来ます。
こたつから出るのに勇気がいる家ではなく、暑さ寒さに一喜一憂しない快適に暮らせる家にするために断熱材の役割を理解しましょう!

 

【参考】:「高気密高断熱|断熱性能と健康の関係性」

 


高断熱と同じくらい大切な気密性について!


 

気密測定

 

「断熱性能」とセットで考える性能で「気密性能」があります。
「気密性能」とは、建物の隙間を測定した数値です。
「断熱性能」が良くても「気密性能」が悪ければ、真冬に高級ダウンジャケットをジッパー全開で外出するようなもので折角高めた「断熱性」の意味がありません。

 

写真のような専用の機械を用いて家の内外の差圧を測定し家の隙間を測定します。
気密性能はC値という数値で表されるて小さければ小さいほど隙間が小さく高気密ということになります。
正式なC値は、完成時測定の数値となります。
しかし、完成時に測定して悪い結果が出たからといって是正できる時期ではありませんので可能ならば是正工事可能な工事中間時(気密工事完了後)に測定することをお勧めします。

 

一般的な基準として2.0以下で高気密住宅。
我々は計画換気なども考慮すると1.3以下(中間測定時)として自社基準といて設けて施工しています。
c値は家の形状や断熱工法、施工の手によって結果が違い、正確な数値は実際に測定しないと測れません。
しかしながら「高気密高断熱」を掲げているハウスメーカー、工務店でも気密測定をオプション設定しているところも多々ありますので注意しましょう!

【気密測定について詳しくは】↓↓↓
「気密測定の結果解説編」
「気密施工管理あっての暖かい家づくり!」

 


断熱材の種類、工法の違いを比較する。


 

1、断熱材の工法と特徴

 

気密断熱工事

 

断熱材の施工方法は、内断熱と外断熱にわけることが出来ます。
内断熱とは、構造の柱の間に断熱材を充填する工法です。

従来昔からある工法なので施工単価は安くでいけますが、気密が確保しにくく施工力が必要です。

 

付加断熱改修

 

対して外断熱は、柱の外側に断熱を施工する方法です。
柱などに邪魔されず連続性が大事な断熱材を欠損なしに施工することができます。
その反面、外壁が厚くなり、壁が2重構造になり施工単価も高くなる傾向があります。

 

2、断熱材の種類と特徴

 

断熱材の種類は繊維系断熱材と発泡プラスチック系にわけることが出来ます。
繊維系断熱材の代表格が「グラスウール」「セルロースファイバー」などといったものになります。
発泡プラスチック系が「押出発泡ポリスチレン」「ビーズ法ポリエチレン」「フェノールフォーム」などとなります。

 

屋根断熱

 

2-1、繊維系:「グラウスール」の特長
ガラス繊維を溶かし、細い繊維にして線状に加工した断熱材。
一般的によく建築現場で見かける断熱材、
材料は安価だが、施工、気密の確保が難しく施工する大工さんに断熱施工の知識が必須。

 

2-2、繊維系:「ロックウール」の特長
鉱物を繊維にして線状に加工した断熱材。
材料は安価、ロール状のものはグラスウール同様施工に知識が必要。
防火性と防音性が非常に高く、北海道などではブローイング断熱(現場吹込み)の定番。
関西地方ではあまり馴染みのない断熱材

【参考】:「ロックウール断熱って知っていますか?」

 

2-3、繊維系:「セルロースファイバー」の特長
天然繊維系の断熱材、新聞紙を粉々にしてホウ酸を混ぜてつくられる。
現場ブローイングで施工。
優れた防露・調湿性能を持ちつつ、害虫などにも強い優れた断熱材。
調湿性能があるので内部結露対策としては優秀で自然素材なのもいいが、施工コストは高め。

【参考】:「セルロースファイバー断熱の特徴」

 

2-4、発泡プラスチック系:「押出発泡ポリスチレン」の特長
ポチスチレンを発砲されてつくられた板状の断熱材。
水や湿気に強く、加工性もよいので床断熱や外断熱で使われることが多い。

 

2-5、発泡プラスチック系:「ビーズ法ポリスチレン」の特長
ポチスチレンを金型にいれて発砲されてつくられた板状の断熱材。
性能はそこまで高くないが、コストも比較的安く、水や湿気に強く加工性もよいので外付加断熱としてオガスタでは採用しています。

 

2-6、発泡プラスチック系:「フェノールフォーム」の特長
フェノール樹脂をボード状に加工した断熱材。
コストは高めですが、断熱性能が非常に高く厚みが薄くても高い断熱性能を実現できる。
耐火性や耐熱性にも優れる。

 

一長一短ある断熱材。
各断熱材の特長を理解して適材適所で組み合わせることで、
快適な住環境をコストパフォーマンス良くつくりだすことが出来ます!

 


断熱材選びの5つのポイントを解説。


 

1、熱伝導率
2、防湿性、調湿性
3、不燃性
4、防音性
5、気密性の確保方法。

 

断熱選びのポイントしては上記の5つぐらいを検討するのが良いでしょう。

 

屋根外断熱

 

「1、熱伝導率」
断熱の性能値を表す数値です。
必要な部分に必要な断熱性能を担保するために家の温熱計算ソフトなどと併用しながら選定します。

 

「2、防湿性、調湿性」
高温多湿が気候の日本の木造住宅で懸念すべきは、「内部結露」です。
発生すると建物自体を傷め、建物の寿命を短くする原因にもなります。
基本的には防湿層を正しく施工することで問題ないのですが、
「調湿性」の高い断熱材は「内部結露」に対して有利に作用します。
安全側で考えた場合採用を検討してみてもいいでしょう!

 

【参考】:「結露」と「気密性」の関係性について

 

「3、不燃性」
木造住宅である以上、火災は天敵です。
家の全体を覆う断熱材にも不燃性の性能は大事でしょう!

 

「4、防音性」
基本的に木造住宅の防音性は低いです。
周辺環境がうるさい場合には、家の全体を覆う断熱材に防音性の高いものを選らぶことは効果的です。

 

「5、気密性の確保」
気密工事というのは施工する職人さんの技術、新築or改修、施工部位、断熱の種類によってその性能が左右されます。
気密性を確保できる適材適所の選定が大切です。

 


まとめ


 

住宅は数百の建材の組み合わせによって建てられます。
省エネに快適性を上げていくには、「外周廻りの工法」であったり、「断熱材」「窓」といった建材の選定が胆になります。
人にとっての冷えは万病のもとですし、過度に暑い日が続くと熱中症で体を壊したりします。
木造住宅も人と同じで急激な寒暖差は、決して家にとって良い物ではありません。
冬暖かく夏涼しい家を省エネにコストパフォーマンスよく計画できるように断熱材の役割は重要です。

 

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