無垢の構造材や、内装材を使った家を新築した場合、
たまに、「夜寝ていると、パキパキ木の割れる音がして大丈夫だろうか?」
といった質問を受けることがあります。
結果から申し上げると、
この現象は自然なことで、新築で起こる木割れの音はなんの心配もありません。
まず、木造住宅で使われる構造材は大きく分けて無垢材と集成材に分けることができます。
これについては、以前のブログで解説しておりましたので詳しくはそちらをご覧ください。
無垢材と集成材の違いとは。
主に木割れが発生する際には、
このうち無垢材を使った場合に起こることが多いです。
「木は呼吸している。」と、
言われるように乾燥材と言われるものでも平均で20%程度の含水率のもののことを言います。
含水率とは、木に含んでいる水分のことで、
無垢の木は長い年月をかけながら乾燥させてより強度を増していくというのが無垢材の特徴と言えます。
「KD材」:
人工乾燥機を使って乾燥させた木材。温度や湿度を制御した釜によって短期間に強制的に乾燥し、木材の動きを緩和、予防することができる。
「AD材」:
天然乾燥材のこと。天日干しなどで自然に乾燥させる方法。
昔ながらの方法で、時間をかけてゆっくりと乾燥させるため材料への負担は少ないものとなる。
人工乾燥機の発展と共にその数が減ってきている。
「グリーン材」:
切ったままで含水率の管理が行われていない木材。
割れたり、反ったりする可能性が非常に高い材と言えます。
人工乾燥の技術が発達したのは、ここ最近のことで、
それまでは、時間とコストのかかるAD材を使わず、
集成材もしくはグリーン材で建てられる住宅が大部分を占めていました。
戸建て住宅が多く建てられていた高度経済成長期、
木造住宅では、構造に絶対量が少なく高いAD材を採用することは難しく、
KD材はまだまだ発展途上の材料、
グリーン材は、割れたり、反ったりということで評判がすこぶる悪い、
ということで発展したのが、集成材ということなのです。
その時代に少なからず、
グリーン材による割れたり、反ったりという経験をされた方も多く
無垢材に対するアレルギー反応を持っておられる方は今でも少なくありません。
乾燥材(KD材)でも、20%前後の含水率のものです。
全く割れたり、反ったりということがないとは言えません。
ただ、同じ樹種である杉、ヒノキの無垢材での構造だからという括りで見るのではなく、
「乾燥材かどうか?」
というもの木割れの音などに大きな影響を与えることなのを覚えておきましょう!
長くなったので次回へ続きます!
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