最近、新築の打ち合わせでも
「防犯カメラは付けたほうがいいですか?」という話が出ることが増えてきました。
もちろん、防犯カメラもひとつの対策です。
ただ、家の防犯を考えるときに大切なのは、
カメラを付けることだけではありません。
今回YouTubeでは、新築時に考えておきたい住まいの防犯対策についてお話ししました。
家づくりに二十数年携わり、
現場監督から設計、アフターメンテナンスまで経験してきましたが、
防犯についても「この設備を付ければ大丈夫」と単純に考えないことが大切だと思っています。
100%侵入を防げる家をつくるのは現実的ではありません。
そこで重要になるのが、
侵入しようとした人に「この家は時間がかかりそう」「ここはやめておこう」と思わせることです。
そのためには、防犯カメラだけを見るのではなく、
窓の位置や大きさ
ガラスの種類
玄関まわり
外構や塀
センサーライト
防犯砂利
防犯カメラ
などを組み合わせて考えていきます。
侵入経路として注意したい場所のひとつが窓です。
家の設計段階であれば、単純に「窓に防犯設備を付ける」という考え方だけではなく、
そもそも人が簡単に入れる位置や大きさに窓をつくらないという考え方もできます。
もちろん、採光や通風、外からの見え方などもありますから、
防犯だけで窓を決めるわけにはいきません。
それでも、新築なら間取りや窓を決める段階から防犯を考えられます。
防犯ガラスについても、絶対に割れないガラスというわけではありません。
一般的なガラスと比較して、
破って侵入するまでに時間をかけさせるためのものと考えるほうが分かりやすいでしょう。
外から見えないように高い塀で家を囲えば、
防犯性が高くなるように感じるかもしれません。
ところが、一度敷地内へ入られてしまうと、
高い塀が道路や近隣からの視線を遮ってしまうことがあります。
プライバシーとのバランスは必要ですが、
外構計画では「隠すこと」だけではなく、「周囲から適度に見えること」も防犯のひとつです。
センサーライトや、歩くと音が出る防犯砂利なども同じです。
侵入そのものを物理的に完全に防ぐというより、
光や音によって侵入者が嫌がる要素を増やしていきます。
ホームセンターなどで購入できる電池式の防犯ブザーも選択肢になります。
ただし、製品や取り付け方によっては強風などによる振動で作動する可能性もあります。
特に長期間留守にする場合は、誤作動にも注意が必要です。
最近は新築時から防犯カメラを計画される方も増えています。
ここで住宅会社として気になるのが配線と外壁の貫通です。
家が完成してから有線式の防犯カメラを追加すると、
設置方法によっては電源や配線を通すために外壁へ穴を開ける必要が出てきます。
高気密・高断熱住宅では、外壁や気密層を後から安易に貫通させることはおすすめできません。
もちろん、後付けがすべてダメという話ではありません。
どこを貫通するのか、配線をどう通すのか、
防水・気密処理をどうするのかまで確認して施工することが重要です。
「将来、防犯カメラを付けるかもしれない」という段階でも、
新築時に設置場所や配線ルートを考えておけば、後々の工事はずいぶん楽になります。
シャッターも防犯対策のひとつです。
特に大きな窓では有効な選択肢になりますが、
家中の窓に付ければいいとは考えていません。
理由のひとつが、実際に毎日開け閉めするのかということ。
どれだけ性能のいい設備でも、使われなければ意味がありません。
これは防犯に限らず、家づくり全般に言えることです。
設備の性能だけで判断するのではなく、
「実際の暮らしの中で無理なく使い続けられるか」まで考えることが大切です。
今回のYouTubeで一番お伝えしたかったのは、
防犯カメラを付ければ防犯対策が完成するわけではないということです。
窓から簡単に入れない。
人目につきやすくする。
光や音が出る。
侵入に時間がかかる。
そして必要な場所には防犯カメラを設置する。
こうした対策をいくつも重ねて、
「この家は入りにくそうだ」と感じさせることが住まいの防犯につながります。
特にこれから新築する方は、
完成してから防犯用品を追加するだけではなく、
間取り・窓・外構・電気配線を決める段階から防犯を考えておくのがおすすめです。
動画では、窓の高さや防犯ガラス、塀、
シャッター、センサーライト、防犯砂利、防犯カメラの後付けまで、約8分でまとめています。
これから家を建てる方はもちろん、
今のお住まいの防犯を見直したい方にも参考にしていただければと思います。