現代でも、
木造住宅の要というべき存在が大工(だいく)です。
その昔は、
大工の棟梁が設計から施工まで、
工事全体を統率してきました。
現代では、
その仕事も細分化されて、
設計事務所、住宅会社などより
木工を請け負うという形態へと変化しています。
ですので、
建築関係者もしくは、自ら建築工事をしない限り、
なかなか、接する機会がないのではないでしょうか。
一般的な大工(職人)のイメージは、
「誇り高く」「粋(いき)で」「威勢がいい」というものです。
時代劇「水戸黄門」に登場する長屋の職人たちのようなイメージではないでしょうか。
職人気質で、
シャイで打ち解けるまで時間はかかる傾向はありますが、
自分の技術に誇りをもって
作業している姿は何ともカッコいいものです。
大工は、
細分化された職人の中でも、
ダントツで下積みに時間がかかる業種です。
近年では、
大工技術継承のため、
大工養成のための専門学校もできているようですが、
昔は、八年目で半人前になれると
いわれているほど育成に時間がかかるものでした。
「仕事は、
教えてもらうものではなく、
見て覚えるもの。」
とういう考え方が、
色濃く残る職人の世界です。
さらに、ハウスメーカーの台頭により、
十分に技術を身につけなくても、
既製品を組み立てるだけで、事が足りてしまう住宅も増え、
本物の大工が減少しています。
本物の大工職人さんも
高齢化傾向で後継者不在が問題となっています。
オーガニックスタジオ兵庫は、
幸い、若くて高い技術力を持つ大工職人さんに、
仕事してもらっていますが、将来的には他人事ではありません。
木造建築に携わるものとして、
日本古来から伝わる木造住宅の技術を失うことなく、
後継者を育成していかなければなりません。