県産材ツアーもいよいよ最終回。
仕入れ〜乾燥〜流通の工程を学んだ後は、
いよいよ「木が家として完成した姿」を見学してきました。
今回見せていただいた住宅は、
兵庫県産木材の使用率83% という、
非常に高い割合で県産材を用いた家。
実際に工務店の社長さんが住まわれている、実験型住宅とのこと。

家づくりの仕事に携わって早二十数年に、
現場監督~スタートしたキャリアも、
営業、設計、アフターメンテナンス、工務店経営と、
日々学びながらより良い家づくりを実現するために奮闘中!!
ご興味のある方は過去ブログも
遡って読んでいただければ大変嬉しいです!!!
玄関を開けた瞬間、
ふわっと杉とヒノキの香りが広がり、
木の家特有の柔らかい空気に包まれます。
構造材だけでなく、
見える部分のほとんどが兵庫県産材という贅沢なつくり。
壁
天井
造作棚
階段
床材
すべてが自然の素材で統一されていて、
まるで森林の中にいるような感覚を覚えます。
この家で特に印象的だったのは、
個室をあえてつくらず、
家全体に「居場所」を散らしていること。
一般的な4人家族であれば
夫婦の寝室
子ども部屋×2
といった考え方になりがちですが、
こちらの家ではあえて「個室」という考え方を手放しています。
ロフトのようなスペース
窓辺のベンチ
木陰のような階段下
広々と使える一体空間
「暮らしが部屋に合わせるのではなく、
部屋が暮らしに寄り添う」
という設計コンセプトがとても魅力的でした。
この家の体験ポイントとして、
特に印象的だったのが床材。
● 1階:杉37mm
→ 分厚く、柔らかく、足触りが気持ちいい
→ 心地よさに優れる
● 2階:杉15mm
→ 一般的な厚さで軽快
→ 杉の香りと足触りを気軽に楽しめる
実際に歩くだけで、
「木が厚いとこんなに違うのか!」
と体感できるのは貴重でした。
屋外にも杉・ヒノキがふんだんに使われており、
実験型住宅ということで劣化のぐあいや木の変化をリアルに見学できます。
木の変化ポイント
南面 → 日焼けで銀色に
北面 → 色が残りやすい
水平面 → 雨の影響で変化が早い
垂直面 → 比較的ゆっくり変化
屋根の出の有無で耐久性が変わる。
と言いますが、
実際に見るとその意味を深く理解できます。
仕入れ → 製材 → 乾燥 → 流通 → そして住宅へ。
ツアーで見た一連の流れが、
この家一軒に集約されていました。
今回のツアーで改めて感じたのは、
木は家になって終わりではないということ。
暮らしの中で呼吸し、
光や風、季節と一緒に変化しながら、
年月を重ねるごとに味わいを増していく素材だということです。
この実感は、今日見た完成住宅で強く胸に刻まれました。
全4回のツアーレポートを通じて、
私たち自身も「木の家づくり」への理解と愛着がさらに深まりました。
県産材を使うということは、
地元の山を守ること
木材産業を支えること
良い家づくりを次の世代につなぐこと
そのすべてにつながっています。
今回学んだことを、
今後のお施主様の家づくりにも確実に活かしていきます。
お読みいただきありがとうございました!