県産材ツアーのレポートもいよいよ3回目。
今回は、普段あまり聞くことがない 「木材市(木材市場)」 についてご紹介します。
魚の市場や青果市場はニュースでもよく取り上げられますが、
実は木にも、同じように市場があり、
昔から日本の林業や製材業を支えてきました。
ツアーでは、この木材市の歴史と仕組みについて詳しく教えていただき、
私たちの仕事に深く関わる「木の流通」を理解する良い機会になりました。

家づくりの仕事に携わって早二十数年に、
現場監督~スタートしたキャリアも、
営業、設計、アフターメンテナンス、工務店経営と、
日々学びながらより良い家づくりを実現するために奮闘中!!
ご興味のある方は過去ブログも
遡って読んでいただければ大変嬉しいです!!!
木材市は、山から伐り出された木(丸太)が
製材所や木材業者へ売られるための市場 のこと。
魚のセリと同じように、
木の太さ
長さ
樹種
年輪の詰まり方
木目の美しさ
などを見て値が付きます。
ただし魚のように「早朝に大勢で一気にセリ!」というよりは、
どちらかというと 品定めをしながら静かに値段が決まっていく市場 という印象です。
木材市の歴史は古く、
日本の林業が盛んだった
昭和30〜50年代頃には特に重要な場 でした。
当時は日本中で家が建ち、
学校・公共建築も大量に建設されていた時代。
山から伐り出された木は、
まず「市場」に集められ、そこで買い手が決まり、
地方の製材所へと運ばれていきました。
木材市場はまさに、
山と製材所と大工をつなぐハブ
として機能していたのです。
現在は、
木材価格の変動
林業の担い手不足
製材所の直仕入れの増加
などの影響で、
木材市の役割は少しずつ変わりつつあります。
それでも、
木の価値を決める場としての本質は今も健在。
ツアーで説明されていたように、
良い丸太が集まる市場には製材所も職人も自然と集まり、
そこで出会った一本の木が、
どこかの住宅の梁や柱になっていきます。
木材市はまさに
木の命が次のステージへ渡る場所
と言えるのかもしれません。
木材市について学ぶことで、
私たちが普段使っている材がどうやって値段が決まり、
どのように製材所に運ばれているのかがよく分かりました。
魚市場のように派手な世界ではありませんが、
木材市にはじっくりと木と向き合う職人たちの熱意があり、
その目利きが家の品質にもつながっていくのを実感しました。
次回は、
いよいよ 県産材をふんだんに使った完成住宅の見学編(最終回) をお届けします。
実際の暮らしの中で、
木がどのように息づいているのかをご紹介します。