シックハウス症候群という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「住宅に由来する様々な健康障害の総称であり、単一の疾患を表す訳ではない。また化学物質過敏症(Multiple chemical sensitivity)と同一の概念でもないとされる。主として住宅室内の空気質に関する問題が原因として発生する体調不良を指す場合が多い。その場合は、何らか理由で室内の空気が汚染された結果、その空気を居住者が吸引することによって発生するとされている。」(Wikipedia参考)
要約すると、主に家を建てる時に使われる材料に使われている接着剤や塗料、溶剤などの化学物質によって健康を害するということです。
今でも、新建材と言われる接着やシート張りの建材を主として建てられた家に完成直後に行くと鼻を刺激するような独特なにおいを感じることがないでしょうか?
結果、その空気を吸い続け、ひどくなると健康を害することとなるのです。
シックハウスの対策としては、平成15年に建築基準法でシックハウス対策法が制定されました。
問題物質であるホルムアルデヒドやクロルピリホスなどを添加した建築建材の使用が制限されました。
もちろん、内装に使われるクロスのノリなども同様に規制を受けることとないました。
また、室内の空気を汚さないための換気回数などの規定も設けられシックハウスの一応の対策としたのです。
そのことによって、大幅に室内環境が改善したといっていいと思います。
ただ、その中でも接着剤が多く使われた新建材の家に行くと気分が悪くなったり、化学物質過敏症の症状を感じられる方がいます。
規制によってひとつひとつの建材に含まれる化学物質は少量でも合わさることによってそれなりの量となっているということです。
そもそもの原因である化学物質の使用量の少ない建材を選定するのはもちろんですが、
現代の住宅は中途半端に気密、断熱がよくなったことによって室内の空気が汚れシックハウスの原因のひとつになっています。
ただ中途半場に良い気密断熱性能では計画的な換気しっかりと機能せず、空気のよどみを解消することができません。
シックハウス対策としては、法律で決まっているから必要な換気設備と取り付けるのではなく、実質機能する換気計画を行うということろが最も大事なのではないでしょうか?
次回は、引き続きシックハウスが問題となった時期に大変嫌われてしまった内装のクロス仕上げとの関係について書きたいと思います。