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2012.08.04建築材料|高性能建材、太陽光発電

大型太陽光発電の可能性

太陽光発電の最大の特徴は、
「燃料」という稼動後の変動費用がないことです。

7月より始まった「再生可能エネルギーの買取制度」によって
太陽光発電が「金融商品」として注目されています。

住宅用とされている10kW未満の場合と、
産業用とされている10kW以上の場合とで、買取制度が大きく異なるようになりました。

「住宅用」は従来通りの余剰買取で、
買取保証期間が10年間なのに対し、
「産業用」は全量買取で、
買取保証期間が20年間となりました。

余剰買取制度とは、
太陽光発電による電気が、自宅等で使う電気を上回る量の発電をした際、
その上回る分の電力を、1キロワット時あたり42円の価格で、
10年間固定で電力会社に売ることができる制度です。
現在、昼間に28円程度で電気を購入していることを思えば、
かなり費用的なメリットがあります。

買取りに必要となる費用は、
電気を利用する全員で負担する「全員参加型」の制度となっています。

この余剰買取制度は、
生活サイクルにより、余剰電力が変化するため、
原価回収年数が不透明でした。

しかし、「産業用」が全量買取になったことで、
原価回収年数がより明確になり、「利回りのよい金融商品」と考えられるようになってきました。

業界の動向としても、ソフトバンクを代表に、企業の参入が相次いでいます。


「再生可能エネルギー買取制度についての比較表」

発電容量        10kW未満    10kW以上
カテゴリー       住宅用        産業用
買取制度        余剰買取       全量買取
買取価格(税込)    42円/kWh   42円/kWh(個人)
買取価格(税抜)    42円/kWh   40円/kWh(法人)
買取期間        10年間       20年間
買取単価適用期間    平成24年7月~平成25年3月末
J-PEC住宅用補助金 適用        不適用

「産業用」となっていますが、
戸建て住宅に10kW以上設置可能でしたら、
「産業用」で申請も可能ですし、

土地があれば、
野立工法による設置も可能です。

しかし、現在の42円/kWhという買取価格の適用が、
来年3月末までの予定という問題点があります。

その先は、不透明で、
今の勢いで普及が進むと、
「全員参加型」の制度という特性上、
その他電気利用者の負担が大きくなり、
減額されていくという噂です。

さらに「産業用」の場合は、
計画申請に半年近くかかります。
今から計画したとしても、
現在の買取価格が適用される三月末までに間に合うかが微妙です。

また「住宅用」と「産業用」では、
太陽光発電を制御するパワーコンデショナーの価格に大きな違いがあります。
「産業用」は「住宅用」と比較して、200万円以上高いものになります。

そこで仮に「住宅用」のパワーコンディショナーで
「大型太陽光発電」に対応するよう計画してみます。
「住宅用」一台で制御できる電力量はメーカーによって異なりますが、
4.0kWとして、
これを複数台繋ぎ合わせて「大型太陽光発電」を造ります。

また、電力会社、太陽光発電メーカーにより
これを何台まで繋いでよいのか規定も違うようですが、
5台繋いだとして、
4.0kW×5台=20kW
の「大型太陽光発電」が可能ということになります。
この20kW程度が経済的に設置できるラインではないでしょうか。

留意点として、
・設置する土地について許可や申請の有無の検討。
・時間的な計画が必要。
・盗難対策として防犯計画。 などなど

始まったばかりの事業ですので、
計画上の留意点はいろいろと出てくるでしょう。

しかし、経済的なメリットだけではなく、
クリーンなエネルギーとして地球環境や、
電力不足にも貢献できます。

これから、大型太陽光発電は土地の有効利用という観点からも、
企業、個人問わず増えてくることが予想されます。

国のエネルギー政策の転換もあり、
急速に成長している太陽光発電ですが、
メリットと共にいろいろな問題点も出てきています。

その辺について数回に分けて書いてみます。
つづく・・・

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