その昔は、建てる家のすぐ近くの山から木を伐りだし、
何年も木材を天日にさらして天然乾燥をさせて家を建てていました。
このようなことは、現代ではとんでもないコストを期間が必要になり実質不可能と言っていいのかもしれません。
現代では、前回の「①冬の乾燥で起こる新築の木割れの音」で説明したように、
人工乾燥技術の進化で、無垢材で家を建てる時は、
ほとんどが人工乾燥材(KD材)を使うように変化してきています。
乾燥材とは言え、出荷時には含水率20%程度のもので、
それから長い時間をかけて乾燥させながら強度を増していくというのが無垢材の特徴といえます。
乾燥収縮による「木割れの音」は、
新築から一年もすれば大幅に軽減されてきます。
冬場は人も乾燥が気になる季節ですが、
無垢の木材にも同じことが言えます。
空気の乾燥によって木材表面が乾燥し、
内部との水分差によって「パキッ、パキッ」と
音をともないながら割れが生じるのです。
これは、自然現象で特別なことではありません。
特に夜などは生活音が少ないので気になるかもしれませんが、当たり前のことで強度的な問題もないことです。
木材の乾燥技術がまだまだ未熟だった時期には、
木材をあえて割っておくことで割れたり、反ったりする力をその部分に集約するやり方で家を建てていました。
結構な柱の断面欠損と言えなくもないですが、
割れ反りの弊害を軽減する方法として編み出された工法です。
あえて、木材を芯に向けて割っておく「背割り」とやり方です。
乾燥技術の進化と共に背割りを入れずとも大きな割れが起こることも少なくなり最近では背割りなしでも建築するこが可能になってきました。
また、木割れを軽減する方法として、
室温、湿度を一定に保つことにより急激な乾燥収縮を無くし、
割れや反りを軽減することができます。
そのような住宅環境を実現するためには、
「高気密高断熱住宅」とすることも室温、湿度を一定に保つことができ有効な方法ではないでしょうか。
以前のブログで高気密高断熱と湿度の関係について書いてたものがありまたのでそちらもどうぞ↓
①「高気密高断熱住宅」は室内を最適湿度を保ちやすいことを知っていますか?
②「高気密高断熱住宅」は室内を最適湿度に保ちやすいことを知っていますか?
我々の住む兵庫県は広大な森林を持っており、
その広大な森林は手入れを怠れば、荒廃し再び蘇らせるためには膨大な時間を必要とします。
地産地消、地元の木材をつかって家を建てていくということは非常に意義のあることではないでしょうか。
また、無垢の木を使った家は何年経っても木の香りがする森林浴をしているような心地よさがあります。
現代では無垢の木を使う家づくりは、
昔のような割れ反りといったデメリットは減ってきましたが、
絶対量は現象し、輸入品の安い集成材に押され続けています。
なんとか、その流れに歯止めをかけるべく、
兵庫の木を使った地産地消の家づくりの良さを伝えていければと思います。
関連ブログ:①冬の乾燥で起こる新築の木割れの音
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