先日、現在進行中の姫路市「大面積のウッドデッキバルコニーのある家」に現場確認に行ってきました。
大工工事のほうも大詰めで内部の石膏ボードや家具工事が進行してました。
この物件では、壁断熱としてセルロースファイバーが使われています。
セルロースファイバーとは、環境への安全基準の厳しい欧米諸国が発祥で自然素材系の断熱材です。
新聞紙を粉々にしてホウ酸を混ぜて作られている、天然木質繊維の断熱材で、優れた防露・調湿性能を持ちつつ、害虫などにも強い優れた断熱材でもあります。
欧米諸国では、かなりのシェアを占めているセルロース断熱ですが、
日本国内ではまだまだクラスウール断熱やロックウール断熱などに押されてまだまだ流通量が伸び悩んでいる状況です。
徐々に流通量も増えてはきているようですが、特別他の断熱材と比較して高性能ではないことと、価格がまだ少し高いこともあってのことです。
表面の仕上材をビニールクロスから塗り壁などにすることは、
目に見えて仕上げの質感が変わるので採用されやすいところですが、
内装仕上げが変わらず、断熱性能も変わらず、価格がUPする、
といったところで減額されてしまうこともしばしば見ることがあります。
オーガニックスタジオ兵庫の物件でも採用率は現在のところ2割程度といったところではないしょうか?
家の見た目上の仕上げに大きな違いのないセルロース断熱ですが、住環境といったところでは大きな違いがあります。
木質繊維特有の高い吸放湿性で適度な湿度を保ってくれる効果があります。
塗り壁などの仕上げ材でも同じような効果を言われますが、
壁の表面に薄く塗られる塗り壁と、
壁の中に分厚く充填されるセルロースファイバーではその効果も違ってきます。
見た目ではわからないところですが、住みだしてから大きな違いになってくるところではないでしょうか?
ただ、採用したからといって完全に夏の除湿、冬の加湿の必要がなくなるといったものではなく調湿性が向上するといったところですので計画的な湿度管理は従来通り行う必要があります。
日本の気候は高温多湿で夏場は湿度が高くなり不快に、
冬は乾燥してインフルエンザや乾燥肌の原因になったりします。
人生の中でその大部分を過ごす家だからこそ、
健康に快適に暮らすことが出来るように壁の中の仕様にもこだわってみてはどうでしょうか?