先日、断熱リノベーションのお引き渡しにあわせて、
無垢床の蜜蝋ワックス塗装のレクチャーをさせていただきました。
今回は既存の床と質感を合わせるため、
仕上げは 蜜蝋ワックス。
塗るだけで木の表情がぱっと豊かになり、
住まい手の方にも扱いやすい自然素材です。
家づくりの仕事に携わって早二十数年に、
現場監督~スタートしたキャリアも、
営業、設計、アフターメンテナンス、工務店経営と、
日々学びながらより良い家づくりを実現するために奮闘中!!
ご興味のある方は過去ブログも
遡って読んでいただければ大変嬉しいです!!!

無垢材の仕上げには大きく分けて
自然オイル と 蜜蝋ワックス があります。
・木の内部にぐっと浸透して耐久性が高い
・シミになりにくい
・メンテナンス周期は長め
・木の表面に薄い膜をつくり、しっとりした質感
・手触りが柔らかく、経年でツヤが育つ
・誰でも扱いやすく、初めてでも比較的うまく仕上がる
今回は既存との馴染みを考えて蜜蝋を採用し、
実際にレクチャーしながら一緒に作業していただきました。
今でこそ、
ネットや直売所で手に入りやすくなった蜜蝋ですが、
創業当時は本当に手に入れる手段を知らず、
ワックスを試したくても材料すら揃わない時代でした。
そんな折、
リフォーム相談でお伺いしたお客様のお宅が、
なんと 養蜂家の方。
思い切って
「蜜蝋、少し譲っていただけませんか?」
とお願いしたところ、
快く分けてくださり、
あの時の あたたかいご縁 は今でも忘れられません。

【↑↑↑2013年当時の写真】⇒ 当時の2013/01のブログ記事リンクURL
その蜜蝋を溶かし、
植物オイルと混ぜて、
試行錯誤しながら
自家製蜜蝋ワックス をつくったのが
オーガニックスタジオ兵庫の原点のひとつでもあります。
先日、
ふらっと立ち寄った JA の直売所で、
何気なく棚を見ていると、
そこに 普通に蜜蝋が売られている ではありませんか。
あの頃、あれだけ探して苦労したのに…
と思うと、なんだか嬉しいような、
少しだけ複雑なような気持ちに。

「時代は変わったなぁ」としみじみ感じた瞬間でした。
蜜蝋を布にとって軽く擦り込むと、
木目がふわっと浮かび上がり、
新しい表情が生まれます。
無垢材は、
手をかけた分だけ必ず応えてくれる素材。
蜜蝋仕上げは暮らしながら育てていく感覚が 強く、
家に対する愛着を自然と深めてくれます。
今回のレクチャーでも、
お施主様がとても楽しそうに試行錯誤して作業されていたのが印象的でした。