先日、10年点検でOB様のお宅を訪問してきました。
10年という節目は、
建物自体はまだまだしっかりしている一方で、
設備機器や防水など、そろそろ手を入れたい場所が出てくる時期でもあります。
今回の点検での気付きも踏まえながら、
「10年経つと気になってくるメンテナンス」をまとめてみました。
これからの暮らしの参考にしていただければと思います。
家づくりの仕事に携わって早二十数年に、
現場監督~スタートしたキャリアも、
営業、設計、アフターメンテナンス、工務店経営と、
日々学びながらより良い家づくりを実現するために奮闘中!!
ご興味のある方は過去ブログも
遡って読んでいただければ大変嬉しいです!!!

10年点検で特にご相談が多いのが、
エアコンの不調や交換のタイミングです。
当社の家は
「少ない台数のエアコンで家全体を快適にする設計」
が特徴です。そのため、1台の役割がとても大きいのがポイント。
・1台止まると、家全体の快適性が大きく落ちる
・真夏・真冬は故障リスクが高く、代替が効きにくい
・気密を維持したまま交換するには専門的な施工が必要
などの理由から、動いているうちの計画交換をおすすめしています。
「壊れてから考える」より、
「壊れる前に備える」方が暮らしの安心感も大きいと感じます。
10年後の保守率低下に注意
LED照明は球切れしづらく、
長寿命と言われています。
しかし、明るさが維持され続けるわけではないという点は、
意外と知られていません。
LEDには「保守率(光束維持率)」という概念があり、
10年(約40,000時間相当)使い続けると、
見た目は点灯していても初期の明るさの70〜80%ほどに低下することがあります。
つまり。。。
「明るいと思っているだけで、実はかなり暗くなっている」
という状態が起きやすい時期なんです。
さらに、LEDは昔のように電球交換ではなく、
器具ごとの交換になるため、
状況によっては電気工事士の作業が必要になるケースもあります。
そのため、
明るさの低下を感じる
点灯にムラがある
部屋全体がなんとなく暗い気がする
といった場合は、
10年を目安にまとめ交換を検討していただくと、
快適性が一気に改善します。
ベランダは紫外線・雨風の影響が大きく、
防水の劣化が出やすい場所です。
10年点検では、
トップコートの劣化
細かなひび割れ
排水周りの汚れ
などが見られることが多く、
10〜12年で再塗装や部分補修がおすすめです。
放置すると雨漏りリスクにもつながるため、
早めのチェックが安心です。
基礎断熱の住宅では、
床下の環境管理がとても重要です。
10年点検では、
シロアリの再防蟻処理
床下の埃・ゴミの清掃
断熱材や基礎周りのチェック
を重点的に行います。
床下は普段見えない場所ですが、
基礎断熱の家では性能維持にも関わるため、
定期的なメンテナンスが特におすすめです。
外壁コーキングの痩せ・ひび
雨樋の変形や詰まり
給湯器(寿命10〜15年)
網戸やサッシの動き
水栓金具の部品劣化
など、細かな経年のサインが散見される時期でもあります。
10年点検で感じるのは、
家の本体はしっかり元気。
でも、設備や防水はケアを始めたいタイミング
ということです。
家は建てて終わりではなく、
暮らしとともに育てていくもの。
オーガニックスタジオ兵庫では、
10年、15年、20年と長く住み継いでいただけるよう、
継続したメンテナンスのご提案を行っています。
気になることがあれば、いつでもお気軽にお声がけください。