先日、岡山県にある
閑谷学校(しずたにがっこう) を訪れました。
ここは江戸時代に
岡山藩主・池田光政が
「庶民のために学びの場を広げたい」という思いで建てた、
日本最古の公立学校です。
現在も 国宝の講堂や
重要文化財の建物群 が残り、
教育史だけでなく建築史的にも非常に価値の高い場所として知られています。
家づくりの仕事に携わって早二十数年に、
現場監督~スタートしたキャリアも、
営業、設計、アフターメンテナンス、工務店経営と、
日々学びながらより良い家づくりを実現するために奮闘中!!
ご興味のある方は過去ブログも
遡って読んでいただければ大変嬉しいです!!!
中でも印象的だったのは、
国宝に指定されている 講堂 です。
木組みや瓦屋根、細部の納まりに至るまで、
江戸時代の職人たちが「学びの場を支える建築」として、
真摯に取り組んだ痕跡が残っています。
質素でありながら格調高く、
長い年月を経ても人を惹きつける空気感をまとっている建築は、
住まいづくりにも通じる普遍的な価値を教えてくれました。
さらに、閑谷学校をぐるりと囲む石塀は日本遺産にも登録されています。
外の世界と学びの場を静かに隔てつつ、
同時に周囲の山々や空と調和して、
全体を包み込む景観デザインは秀逸です。
「学びを深める環境は、建築と風景の調和によって支えられている」と強く感じました。
ちょうど我が家では、
上の娘が大学受験を控えています。
学びの意味を改めて考えるこの時期に、
300年以上前に「人を育てるための建築」が作られた閑谷学校を訪れたことは、
とても感慨深いものでした。
石塀に囲まれた静謐な空間に身を置くと、
「学びはその人の人生を形づくり、未来を拓く力になる」という先人の思いが伝わってきます。
娘にも、この学校のように長く人を支える場所に身を置いて、
しっかりと学び、自分の道を築いていってほしいと願わずにはいられませんでした。
今回の見学で実感したのは、
建築は単なる器ではなく、
思想や文化を未来に伝えるものであるということです。
閑谷学校の講堂が今も国宝として残り、
多くの人に感動を与え続けているのは、
そこに「学びを広めたい」という強い思いが込められているからです。
私たちの家づくりも同じく、
そこで暮らすご家族の思いを形にし、
世代を越えて受け継がれるものにしたいと考えています。
学びの場を支えてきた
閑谷学校の建築から学んだ「普遍性」と
「人を育てる空気感」を、
住まいの設計にも生かしていきたいと思います。