今日は雨の一日となりました。
ムシムシしてとても暑いです。
これからの夏の節電を考えると頭が痛くなります。
最近の住宅の換気設備事情について、
28日に参加したP.V.ソーラーハウス協会の研修会での話です。
住宅の換気は、
2003年の建築基準法の改正により、
24時間換気が義務付けられました。
換気の方式として、
・第1種は機械による給排気。
あらゆる部屋の換気に適します。
・第2種は機械給気・自然排気で清浄室に適します。
・第3種は自然給気・機械排気で汚染室に適します。
温暖な関西地方の住宅換気方式は、
9割が第3種換気ではないでしょうか。
トイレや洗面などの換気扇を利用して行われています。
残り1割が第1種換気方式で、
第2種換気は、ほぼ採用されていない状況です。
住宅からの熱損失の主なものは、
1、窓 46%
2、天井・床・壁 37%
3、換気 17%
(ローヤル電機株式会社調べ)
窓や躯体の断熱性能の向上と共に、
換気設備の熱損失保全が今後の課題となります。
ローヤル電機株式会社さんの資料です。
あまり、聞きなれない会社名ですが、
送風ファンや浴室照明を専門に作っている会社です。
その送風ファン製造で培われた技術を、
住宅の換気設備に活かして、第1種換気システムを製造、販売しています。
第1種換気システムというと、
天井裏を給気や排気のダクトが行き交い、
メンテナンスやダクト内のカビを心配する声がよく聞かれます。
確かに、機械物ですので、
適切なメンテナンスは行う必要があります。
部品等の交換も必要になります。
しかし、一番懸念されるダクト内のカビについては、
24時間換気を停止することによって発生する可能性が高いようです。
通常、換気扇が停止された状態の時に、
水分、ホコリがダクト内侵入にてカビの原因となります。
ですので、 主に居室からの、
排気経路で発生する可能性が高いそうです。
そして、絶対に24時間換気を止めてはいけないということです。
熱損失保全する熱交換式換気扇は、
温度交換率が、80%以上の物もでてきて日々進化しています。
熱交換とは、
折角、暖めた部屋の温度を、出来るだけ損なわず、
換気しようという熱損失保全システムのことです。
例えば、
室内の温度が20℃で、屋外の温度0℃、熱交換効率が80%の場合、
20℃×80%=16℃
屋内の空気と、屋外の空気を熱伝導させて、16℃で給気されるというものです。
熱交換式の中にも種類があって、
顕熱、全熱の2種類があります。
・顕熱ー熱のみを交換するもので、室内の湿度は排気されます。
・全熱ー熱と湿度を交換するもの。
欧州では、
前者の顕熱交換型が普及しているのですが、
これは年間を通して比較的適度な湿度環境であるため、
温度の調整だけで快適な室内空間となるからです。
顕熱交換型は温度交換率が高いですが、
室内の湿度も排気してしまします。
日本の気候は、夏は蒸し暑く、
冬は過乾燥となるので、熱だけでなく湿度のコントロールが必要です。
熱交換式換気扇は、全熱交換型を推奨します。
この先、国の事業として、
住宅の省エネ化が推進されていきます。
換気設備の検討も重要となります。