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2012.06.02リフォーム・リノベーション

耐震改修について

日本には1981年の新耐震基準以前に建てられた住宅が約1150万戸あります。法律改正によって不適合な部分が生じたことから「既存不適格」と呼ばれています。

新耐震基準で建てられた住宅に比べて、壁の量が少なく耐震性が不十分とされています。自治体が独自に、耐震診断・耐震補強への助成制度を設けていますが、あまり広く知られていないのが現状ではないでしょうか。

実際、住宅の耐震性・耐久性には、古いから危険、新しいから安全と言えるものではなく、施工条件、地盤状況などさまざまな要素が関係してきます。市町村が実地している耐震診断というのは、「既存不適格」物件に対して、必要項目をチェックすることで行います。たとえば、基礎の状況が布基礎なのか。束基礎なのか。その状態はどうなのか。といったようなことをチェックしていきます。束基礎の場合、ほぼ「倒壊の危険性があり、耐震補強の必要あり。」と診断されます。

次の壁の量をチェックしていきます。建物のX方向とY方向の壁の量を算定し、現行法と照し合せます。例えば、和室のつづき間のような、日本古来の建築物は襖で間仕切っているだけですので、壁量が足りません。これも「耐震補強の必要あり。」と診断されます。

その他、屋根の重さなど、いろいろな要因を検討し、耐震診断を行います。実際に、市町村の耐震診断を行ったことがありますが、その診断だけではなく、従来からの大工の経験則や、現地の地盤状況を考慮した上で、倒壊の危険性をしっかり判断して改修計画を立てることが重要になってきます。

木造住宅は、地域の気候や風土の影響を受けています。地域地域にあった最善の耐震改修を提案していかなければなりません。

 

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