森林浴の癒し効果は、よく知られていますが、
その癒しの正体は「木の香り」によるものです。
「木の香り」は気分を落ち着かせる。
よく耳にしますが、具体的にどんな効果があるのでしょうか。
「木の香り」(フィトンチッド)として一番出てくるのは、テンペンという化合物です。
(テンペンの特徴)
・気分を快適にする効果。
・厚生労働省の定める室内揮発性有機化合物(VOC)に含まれる。
・抗菌効果。
マウスを使った実験でも効果が実証されています。
低濃度の針葉樹葉油を揮散させた中では、マウスの運動量は増します。
近年,問題となっている
気管支ぜん息やアトピー性皮膚炎などアレルギーの大きな要因の一つにダニがあげられます。
テンペンには、気分を快適にする効果のほか、
ダニの繁殖を抑える抗菌効果があります。
また、悪い臭いを消すといった働きがあり、
ホルムアルデヒドなどを吸着する作用もあります。
ヒノキの材油には、ホルムアルデヒドを40~50%除去すると言われています。
このような効果があり、テンペンは、
室内を汚染するVOCとは内容の違う化合物です。
しかし、厚生労働省の定めるシックハウス問題に関するガイドラインで、
室内VOC総量の目標値の中にテンペンも含まれます。
確かに、濃度が高すぎるとストレスの原因になる可能性があり、
アレルギー体質の人が反応することも考えられます。
しかし、濃度は徐々に減少していき、
換気に十分に配慮すれば、
健康を増進する効果はあっても、健康を脅かすことは考えにくい。
快適で健康な住宅を作るためには、不可欠なものです。