仮の話、
「この屋根材はNASAと共同開発でつくられた半永久的に劣化しない新素材でできています。どうですか??」
と営業マンに説明されると誰しも少々高くてもその屋根材にしようかって気になってしまいます。
しかし、残念ながら現状流通している屋根材にそのようなスーパー建材は存在しておらず外部使用される以上、商品によって耐久性、耐候性のメンテナンス時期の違いはあれど劣化するものでつくられています。
しかし、家の根幹たる屋根材。
少しでも長持ちするものであってほしいと望むのが人情です。
長持ちする屋根の素材選びを重視するあまり、屋根の形状や下地、立地条件や地域性などは軽視しがちに感じることがあります。
屋根選びには、「屋根素材」「屋根形状」「屋根下地」「立地、地域条件」といった4つのポイントをトータルで考えることが大切です。
家づくりを終の仕事と励んで早20年。
注文住宅建築を中心に200棟の家づくりに向き合ってきた経験で、
屋根選びのポイントを解説いたします。
雨から家を守ってくれる屋根材。
その屋根材の素材選定はあなたも気になるところだと思います。
瓦屋根
セメント瓦
金属系(ガルバリウム鋼板)
スレート系などなどいろいろな素材があります。
多くのメーカーが同じ素材でもいろいろな商品開発しており、
多種多様の商品の中から素材、デザインの違うものから選定するとが出来ます。
【屋根素材選定の5つのポイント】
屋根材の耐久性はカタログスペックとしてカタログなどに記載されています。
昔から木造住宅に使われてきた瓦は実績ともに問題なく他の新興勢力であるガルバリウム鋼板屋根やカラーベスト屋根も日進月歩で進化している状況です。
耐用年数は他の要因もありますがカタログスペックでみると
瓦>セメント瓦=金属系>>スレート系
のイメージです。
歴史実績なども加味すると耐久性については瓦に軍配があがる感じではないでしょうか?
屋根は家の外観で大きな面積をしめています。
ずっしりと家全体にのせられた屋根材は、
木造住宅の耐震性といった面では大きな影響を与えるのです。
阪神大震災の時も重たい瓦屋根が原因で倒壊ということもあり問題になりました。
出来るだけ軽い屋根素材とすることで、
木造住宅の構造計算でも有利に働きますので重さも素材選定では大切な要素になりますね。
いくら耐久性の高い屋根素材を選んだとしても、
屋根に設置する機器で穴を空けてしまえば素材選定の意味がありません。
将来にわたって太陽光発電パネル、太陽熱温水パネルなどの屋根に設置する可能性のある機器を考えておくべきです。
現在では屋根自体に穴をあけなくても施工できるクリップ工法などもあります。
ただ、新築時点である程度計画し、施工可能な屋根素材を選定しておくのがよいでしょう。
同じ瓦屋根でも和瓦と洋瓦では、仕上がった外観の雰囲気は大きく変わります。
家の外観の意匠に大きく影響してくる屋根素材。
耐久性や耐候性の高いことはもちろん自分が気に入ったもので選定したいですよね。
木造住宅の外装は日々雨風にさらされて劣化していっています。
長持ちさせるためには、適切な時期に適切なメンテナンスをする必要があります。
立地や設置条件によっても傷み具合が変わりますので、定期点検などを利用して時期を見極めることが大切です。
家は完成してからがスタートと言われています。
手遅れな大規模なやり替えになる前に適切に手を入れることができれば、コスト的にも安くで済みます。
選定時からメンテナンスを視野にいれて屋根素材を選んでおくことが大切です。
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耐久性の高い屋根、長持ちする屋根、メンテナンス性のいい屋根。
屋根素材の選択が大きな影響を与え、長持ちする家にするためには大事な選定ポイントになります。
屋根の形状には切妻屋根、入母屋屋根、片流れ屋根などなどいろいろな形状の屋根があります。
その屋根形状は家の外観デザインを決める重要なものであると同時に、
屋根本来の目的である雨漏りへの強さでなどに大きな影響を与えてます。
入母屋などの複雑な屋根形状は重厚感のある日本家屋にぴったりのあう屋根形状です。
屋根と屋根が重なり合う谷などが出来るため単純な屋根形状と比較すると雨漏りなどのリスクは高まります。
また、太陽光設備などを設置したい場合は、設置面積のとれる片流れ屋根が適してます。
雨仕舞いや家の外観のデザイン性に大きく影響する内容になります。
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数十年たったリ物件を屋根改修していていると、屋根材はそこまで痛んでいないのに屋根をめくると屋根下地が腐ってしまって全部やりかえが必要な場合によく遭遇します。
これは、屋根材の素材自体は高耐久なものを選定していても下地の通気が悪いために大事な木部が内部から腐ってきているのです。
こうなってしまうといくら高耐久な屋根素材を選んでいても意味がありません。
木造住宅である以上、キッチリとして通気工法で木部に腐りがこないようにしておく必要がありますね。
屋根材を選ぶ際には、その住宅の立地や地域性も考えておく必要があります。
例えば
毎年たくさんの雪が降る地域では、その雪が滑り落ちないような工夫が必要です。
風の強い立地での屋根は、風で屋根材が吹き飛ばされないような物を選定する必要があります。
地域特有の工法であったり、建築手法があったりましすのでこの部分については専門家の意見を聞きながら選定するべきところです。
家の基本性能と言える「構造」「雨漏り」は、瑕疵にも該当する家の根幹です。
新築を検討する誰もが少しでも強い屋根材であってほしいと思っています。
しかし、強い素材選びを重視し安心してしまっている方が多いように感じます。
家の屋根選びのポイントは、
「屋根素材」「屋根形状」「屋根下地」「立地、地域条件」をバランスよく検討する必要があると思います。
打合せ時などでは、屋根素材の話ぐらいしかあまり話に出ません。
最高の屋根にするためには、屋根素材以外にも
どんな屋根形状で、
どんな屋根下地で、
どんな立地、地域条件なのかを
どんな考え方で建築されているのか確認してみてはどうでしょうか?
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