先日お引渡しを終えた伊丹市の新築住宅。
外構の仕上げとして設けた平行四辺形のたて格子が、
お隣が公園という立地条件もあり、
「開放感は残しつつも、生活の気配が丸見えにならないように」
というご要望から生まれたこのたて格子。
家づくりの仕事に携わって早二十数年に、
現場監督~スタートしたキャリアも、
営業、設計、アフターメンテナンス、工務店経営と、
日々学びながらより良い家づくりを実現するために奮闘中!!
ご興味のある方は過去ブログも
遡って読んでいただければ大変嬉しいです!!!

通常の縦格子は直線的に垂直のラインで構成しますが、
今回はあえて角度をつけた平行四辺形の格子とすることで、
見る角度によって透け方が変わり、
柔らかく視線を遮る効果を狙いました。
格子の間隔や角度は、
見る人の位置や時間帯の光の入り方によって、
一見シンプルに見えるこの木塀、
実は想像以上に手間のかかる作業でした。
格子一本ごとに角度を揃えながら取り付けるため、
ビス位置の精度はもちろん、
木材の反り・ねじれを考慮した微調整が求められます。
現場では大工さんが一枚ずつ角度ゲージを当てながら、
最終的にすべてのラインが揃った瞬間には
「これは大変やったけど、きれいに揃ったなぁ」と
思わず声が出るほどの仕上がりに。
まさに職人の根気と感覚がつくる造形美です。
写真では少し伝わりにくいのですが、
実はこの格子、断面が平行四辺形になっています。
角度をつけたことで板同士が重なり、
より立体的な陰影を生み出してくれます。

木の素材感と陰影のリズムが合わさって、
まるでファサードアートのような佇まいに、
使用しているのは高耐久のハードウッド材。
時間の経過とともに銀色に風化し、
落ち着いた表情へと変化していきます。
年月を重ねるほどに味わいが増すのも、
自然素材の大きな魅力です。
シンプルな中にも手仕事の美しさが宿る、
そんな外構が建物全体の印象を引き立ててくれます。
街とのちょうどいい距離感を保ちながら、
暮らしに心地よいリズムを与える外構デザイン。
そんな家づくりを続けていきたいと思います。